戯言, 読書

点々

blog開始後の読書3冊目
 
村田沙耶香『コンビニ人間』
 
ベタだけど、最近の芥川賞作品なので。
 
 
ビジネス書とかと違って文学作品を批評すんのって難しい、というか嫌いなんだけど。
 
 
ほら、本とか映画とか、「○○読んだ(観た)」って言ったら、高確率で「面白かった?」って聞かれるやん?
 
あれ、答えるの難しくない?
 
 
 
僕自身が、とにかく面白いことを片っ端からやって生きたい とか言うてるくせにって思われるかもだけど、
 
「面白い」って、色んな観点あるから、どの観点からの面白いか否かを答えればいいのか迷うのよね。
以前も書いたけど、個人的には、すごく暗くて救いのない話を面白いと感じるし。
 
 
 
 
んで、そこらへん踏まえて、『コンビニ人間』の率直な感想を述べると、
飽きることなく、わりと一息で読めたんで、そういう意味では、面白いと言っていいんだと思うけど、
個人的には好きな話ではなかったかな。
 
 
登場人物が、誰一人として好きになれなかったのよね。
 
まぁたぶん、
『普通』がわからない古倉と、『普通』の価値判断基準の中で敗北してきた白羽と、『普通』の同調圧力を加えてくる周囲の人々、
どの人間もそれぞれに異様で気持ち悪いってとこも描きたかった一つなのかもしれないけど。
 
 
 
文学作品に関しては、書評とか考察っぽいことは、あまりしたくないので、今後文学作品をここで扱う時は毎回、読んで思ったことの中から、個人的にテーマ拾って戯言を語ることにしよう。
 
 
 
ということで今回は、『居場所』。
 
 
『コンビニ人間』では主人公の古倉が、最終的に自分の居場所はコンビニだ!って再確認して、世間一般の『普通』に合わせることよりもコンビニで生きてゆくことを選ぶってとこで話が終わる。
 
言わば僕自身が今、このblog含め、色々と模索してるのも、僕にとっての社会的に快適な居場所を探す作業と言える。
 
 
そういった意味では、僕は大学を卒業してからというもの、
現在まで、自分の社会的に快適な居場所ってのが見つけられず、同調圧力に表面上は足並みを揃えてやり過ごしてきた。やり過ごしてきたつもりで、心を摩耗してきた。
 
強いて言えば、ここ数年で、地元のライブハウスが居心地良くなってきたけど、それでも実は、バンド業界が自分の居場所だ!とは思っていない。
 
いや、もちろん嫌いじゃないよ?むしろ好きだよ?
 
ただ、まさに今、僕が、何か1つに打ち込むのでなく色んな興味に従って色んなことに手を出そうとしているのが象徴的で、
 
たぶん僕は、
色んなところに、色んな楽しさがある居場所をつくりたいんだと思う。
 
バンド業界も、あくまでも、その中の一つであって。
 
 
一つ所に、自分の居場所を突き詰めるのが嫌いなんだと思う。
 
そう考えると、今、書きながら気付いたけど、『コンビニ人間』の登場人物って、職場だったり家庭だったり、どこか一つ所に居場所を探してる人間が多いから、好きになれなかったのかもしれない。
 
 
 
居心地の良い居場所を増やしてゆこう。
居心地の悪い居場所を減らしてゆこう。
 
 
「それは甘えだ」って言う人も多いかもしれない。
 
けど、それも、同調圧力の一つなんじゃないかね。
 
苦労が美徳、みたいな。
 
 
 
まぁでも、今の僕に関して言えば、
手当たり次第、興味ある情報をインプットして、手当たり次第ここでアウトプットして、
 
たぶん今が人生で一番勉強してるんじゃないかな。
 
デスクに座ってノートに大量の文字を書くでもなく、つまらない講義を聞くでもなく、
時にはソファーで、時には布団で横になって勉強してる。
 
 
 
嗚呼、なんて楽しい苦労かしら。
 

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