さて、先日、
近年あまり本を読んでないなーって記事も書いたことだし、このblogを始めてから2冊目の本を読んでみた。
茂木誠氏の『学校ではおしえてくれない地政学の授業』って本。
地政学とは。
本書でも書かれてるけど、簡単に言うと、国家間の政治的課題を、地理的な条件から考えるって学問。
基本的には、国際情勢の理解とか各国の外交政策の理解がテーマで、日本の内政について云々って本ではない。なので、右だとか左だとか、特定の思想に寄った政治観で語られてなくて、オススメ。
そして、元々、全然地政学がわからない人向けに放送されてたラジオ番組を元に編集された本なので、わかりやすいと思う。
ちなみに、ベタにAmazonのリンク貼ってるけど、アフィリエイトじゃないので、興味ある方は、どこからでも好きなところから買ってください。
んで、せっかくなんで少しだけ内容についてピックアップすると、
個人的にも地政学という考え方に初めて触れたので、
ランドパワーとシーパワー
という新たな観点を知れたのが良かった。
文字通り、陸の力と海の力。
陸での力が強い国と、海での力が強い国という観点からの比較で語られる場面が多く、
この視点って、僕以外でも、持っていなかった方は多いのではないか、と。
入門書的な扱いなので、細かいところざっくりだけど、国際情勢の大まかな輪郭を捉えやすくなると思う。
で、日本史も世界史も含めて、歴史教育について少し語ってみたい。
歴史って、言わば政治の歴史でもあるわけだが、みんな義務教育で、ある程度の歴史教育を受けてきたわりに、政治のこと、全然わからないって人、多いよね。
かく言う僕も20代前半くらいまで、そうだったのよ。
何らかのきっかけを機に、調べてみようって思わないと、歴史と政治が結びつかない。そこ結びつかないと、政治わからない。
んで、学者の中でも、
歴史教育は、近現代くらいからやって、そこから関連するところに遡っていく方が良くない?って考えてる人がいるのよ。
僕もそうなんだけど、僕は政治について勉強し始めた中で、
「○○について考えるには、そこに至った経緯、つまり歴史を知らんと掴めんな」とかって思う場面が多々あってね。
そうやって遡るうちに、あ、これ学生時代に社会で習ったけど、そういうことだったのね!的な知識の定着ができたりしたわけよ。
歴史学の永遠の課題だけど、
歴史って過去のことなわけで、
じゃあ現在から見て、どこまでを歴史と扱うのかっていう。
歴史ってのは、今後もどんどん蓄積されていくわけで、
今、一応、中世とか近代とかの区分で分けてるけど、
じゃあ、
現代 って今くくってる区分を、いつどこで区切るのか、と。
便宜上、現代って区分けしてる領域が、今後も継続的に膨張していくわけやん。
で!はい、歴史教育の話。
そうやって、歴史自体はどんどん膨張してゆくのに、
縄文時代はどうのこうの弥生時代はどうのこうのとか、そこから現在まで全部教える気か!と。
皆さんも思い返してほしいけど、学生時代の社会の教科書って、最後どこで終わった?
なんか、その時点での『現在』から1、2年前くらいまでの出来事を駆け足でバタバタとやって、
結局、『現在』には繋がらないまま曖昧に終わらんやった?
そんなんだから、多くの人が、歴史を学んだはずなのに政治わからんのではないか、と僕は考えてる。
縄文土器の特徴とか、卑弥呼がどうとか、
そっちを駆け足でやる方が良くない?
そこから現在に至るまでの歴史を時系列で全て学ぶって無謀じゃない?
というわけで、今日も長くなったけど、僕個人的に、歴史教育は、
現代から遡るか、せめて近現代から始めて関連するところを遡る派です。
そうした方が、今に関する理解は進みそうですね。
去年色々読書してて、確かに政治を理解するには歴史的背景が重要だなーって思いました。
詳しくやりだすときりがないけど、単純に遡るようにするのは確かにいいかもしれませんね。
あとはまあ、歴史を教える意味をどう捉えるか、という問題かなと。
ちなみに、外交史だったらキッシンジャーの『外交』がお勧めです!長いけど…
歴史って、文化史とか災害史とかを除けば政治の歴史って言っても過言じゃないよね。
歴史に限らず、教育全般、なぜ学ぶのかを教えるのが前提かと。
キッシンジャーは政治史の大事な局面でちょいちょい現れてるから、いずれちゃんと読みたいけどなー
まずは読者ブランクを埋めるべく薄めの本から慣らしてくわ。笑